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2025.02.10
連携研究チームの調査した論文が『Psychologia』に掲載されました

本研究所では、企業や組織のメンバーおよび家族に対して、LINEメッセージによる相談システムを提供しています。このたび、連携する京都大学人と社会の未来研究院・研究チームの論文が『Psychologia』に掲載されました。

SNSカウンセリング(SNS相談)は、LINEなどのSNSを用いたチャット形式のオンラインカウンセリングサービスで、近年若年層を中心に広がりを見せています。それに伴い、専門性の高いカウンセラーの育成が急務となっていますが、日本では基礎的な研究が非常に不足している状況にあります。

本研究では、SNSカウンセリングのロールプレイ調査を実施し、メッセージ量とセッション評価を分析指標として、カウンセラーの「傾聴」の姿勢について検討しました。その結果、SNSカウンセリングにおいて、カウンセラーはクライアントの状況を理解し共感を明確に表現するために対面カウンセリングよりも多く話す必要があると同時に、クライアントがより多く自由に話せる場を提供する必要があることが示唆されました。このように、SNSカウンセリングにおける「傾聴」の姿勢には一見矛盾するような二つの特徴があることが明らかになり、SNSカウンセリングと対面心理療法では、「傾聴」の姿勢の本質は同じであるものの、表現の仕方が異なっていることが示唆されました。

THE RELATIONSHIP BETWEEN MESSAGE FREQUENCY AND SESSION EVALUATION IN SNS COUNSELING: AN EXAMINATION OF LISTENING ATTITUDES THROUGH ROLE-PLAYING
Yuka SUZUKI, Chihiro HATANAKA, Masataka NAKAYAMA, Hisae KONAKAWA, Yasushi SUGIHARA

*本研究はPsychologia誌の電子版で公開されています。

 

<京都こころ研究所では人と社会の未来研究院と連携して企業向けのSNS相談窓口を開設しています>
京都大学 LINEこころの相談室